JCA Youth Choir The 8th Concert に関して


【本件に関しましては、2019/Apr/08に全日本合唱連盟さんはTwitter上だけで訂正をだされました

https://twitter.com/JCA_from1948/status/1115083581015990274

 


パンフレット p.5
パンフレット p.5

2019/03/16

@東京・第一生命ホール

指揮:ディーター・ワーグナー

合唱:JCAユースクワイア

 

Abendlied op.69, 3

 

 2019年3月16日(土)に東京・第一生命ホールにて行われました第8回 JCA Youth Choir(指揮:ディーター・ワーグナー/合唱:JCAユースクワイア)にてラインベルガーの代表作・『Abendlied op.69,3 夕べの歌 』が取り上げられましたので聴いてきました。が、ちょっとパンフの解説で頭を抱えるようなことが書かれていましたので、ちょっと注釈をつけておきます。

 

 問題は赤線を引いた箇所です。

 

 まずA。「テアティナー」教会

 

ラインベルガーが若い頃ミュンヘンでオルガニストを務めていたのは

 

1.聖ルードヴィッヒ教会 1853-1857(無給の副オルガニスト)

2.聖カイエタン教会 1857/10月-1863(宮廷オルガニスト。60グルデン有給)

3.聖ミハエル教会 1863/10月-1867(宮廷教会)

 

の3件です。でAなのですが、これは正確にはder Theatinerkiche St. Kajetan/the Theatine Church of St. Cajetan なのですが、ヴィリ・シュルツェもヴォルフガン・ブレッチュネイダーもほとんどの研究者は聖カイエタン教会と省略しています。ゆえに2.の「聖カイエタン教会」がいいです。

 

 Aはそれほど重要ではありません。問題は次の「B」です。これはアウトです。

 

 上記の一覧にありますように、「オルガニストとして生涯を過ご」してはいないのです。特に聖ミハエル教会オルガニストは1867年にミュンヘン音楽院教授就任の際に辞任しているのです。

 

 これはなんでしょうか? もしかしたら宮廷楽長と混同しているのでしょうか? そうだとしても宮廷楽長は1894年に辞任していますので、生涯をかけてはいません。ミュンヘン音楽院の教授と混同しているのでしょうか? しかし、次の「ミュンヘン音楽院の教授でもあった」との記述し、教職を二の次と見なす書き方ですので混同していないと思います。とても不思議です。ついでにいえば「教授でもあった」というの妙な表現で、教職についていた時期が長いわけですし、教師としての能力が最も評価されていたわけですから、「でもあった」という表現はいかがなものでしょうか?

 

 もしかしましたら、「ケチつけるな! 些末な間違いだ!」と逆ギレする方がいるかもしれませんが(実際逆ギレされたことがあるのですが)、聖ミハエル教会のオルガニストを辞任した頃は、だいたい右手の疾患が発症した頃で、以後鍵盤どころかペンも持てなくなり、鍵盤奏者としての道を諦めた頃なんです。そして演奏者を諦め、つまりオルガニストをやめてから代表作のオルガンソナタに本格的に取り組んだわけで、非常に重要なファクターとなります。とても見逃せない案件なのです。あと「そんな些末なことは演奏する上で必要ない」という方もいるんですけど、この演奏会は教育の一環な訳ですよね。だったら不正確な話はしてはならないと思います。

 

 こういった間違いは非常に困るんです。特に全日本合唱連盟という非常に権威のある団体が主催だと皆信用してしまい、無批判に引用して間違いが一人歩きしてしまうんです。全日本合唱連盟さんは早急に訂正を出してください。本件に関しましては、2019/Apr/08に全日本合唱連盟さんはTwitter上だけで訂正をだされました。上記URLを参照してください