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中期宗教曲集a (op.107)
Fünf Hymnen op.107
五つの讃歌 作品107 無伴奏混声合唱 SATB
※妻フランチスカ提供によるドイツ語テキストでも歌えるようになっている。
- Pater noster 主の祈り
- Jam so recedit
- Salvete flores martyrum
- Salve Regina 元后あわれみの母
- Christus factus est キリストはわれらのために
1877年宮廷指揮者に任命されたことに触発され、ラインベルガーは集中的に無伴奏宗教音楽に向き合った。『Fünf Hymnen op.107 五つの讃歌 作品107』(無伴奏混声合唱 SATB)は同年秋に作成された。スケッチブックによれば、まず「Pater noster」を11月22日の午後5時半から6時の間(*)に書いている。翌23日、すでに1858年5月14日に作曲していた初期の頃の作品「Jam sol recedit」に手を入れている。原本は現存していないため、どの程度の改訂なのかはわからない。続いて「Salve Regina 」(11月24-25日)、「Salvete flores」(11月29日)、「Christus factus est」(12月3日と7日)に書き終えている。ラインベルガーは作品107として、ライプツィッヒのローベルト・フォアベルクに出版を依頼するまで半年の時間が経過した。作品は9月中旬に出版された。
(*全集7巻解説序文英語版は「午後4時半から」と誤っている)
この出版の契機は聖トーマス教会カントール・エルンスト・フリードリッヒ・リヒターの息子B. F.リヒターがもたらしたものかもしれない。1878年6月6日、B. F. リヒターはラインベルガーに聖トーマス教会からの要請を取り次いだ。「私たちのために特別なものを作曲してください...宗教的なもの世俗的なものに関わらず」。聖歌隊は過去に多くの彼の作品を歌っていたことに応え、作曲家は作品107の讃歌に印刷する気になったようであり、作品を聖歌隊に献呈した。ラインベルガーは1878年9月8日付の手紙で、エルンスト・フリードリッヒ・リヒターに次げている。「たびたびあなたのプログラムを送っていただいてうれしく存じます。そしてこれらの讃美歌があなたとあなたの素晴らしい聖歌隊に好まれることを望みます」。
(2019/May/18)