Messe in B op.172 Miss print
2018/May/04
- Kyriに2点、追加を行いました
- Ave Maria の出典がありませんでしたので追記しました
2018/May/18
- オルガン伴奏部分のミスプリントを掲載しました
2018/May/20
- さらに発見した箇所を追記しました
2018/Jun/10
- さらにさらに発見した箇所を追記しました
Carus社からリリースされていますMesse in B op.172(以下B-Dur)・オルガン伴奏バージョン単行本(CV50.172/3)ですが、これはF. E. Leuckartから1892年にリリースされた初版のリプリントになります。
同曲を演奏する機会がありましたので、マニュスクリプト(BSB Mus. ms. 4642-1 [1892-05-19]完成)から検討してみました。すると、いくつかの点でマニュスクリプトとの相違があることが判明し、かつ参照したブラスバージョンの総譜(CV50.201)とも齟齬があることが判明しました。ちなみにCarusのリプリントにもいくつか版がありまして、WebMasterが当初検討しました1987年エディション(CV50.172/3。以下1987)にだいぶミスプリントを発見しました。おそらく無批判にリプリントしたと思われます。保存用に改めてもう1冊調達してみました(CV50.172/03 同じ番号になります)。これはWolfgang Hochsteinによる2010年エディションになります(以下2010)。
B-Durの練習に初参加時、1987の見つけられた限りのミスプリントをドヤ顔で提示したところ、「あれ直ってますよ」と指摘され、こちらもびっくり。示された楽譜は2010でした。まさか再編集されているとは思ってもいません。そこで2010を再検討したところ、頭の部分には修正が施されていいましたが、後半部分にはミスがまだ相当数残っていることがわかりました。
ここでその一覧を示したいと思います。1987から示せばいいのかれませんが、現行手に入る楽譜は2010でしょうから、2010のみを対象とします。女声合唱や混声合唱のためのミサ曲群と違い演奏頻度は低いでしょうが、後々の参考にしていただければ幸いです。また今回は声部しか検討していません。伴奏部分は今後の課題とさせていただきます。WebMasterの見落としや誤謬があるかもしれません。皆様のご指摘をいただければ幸いです。
Carusのクリティカルエディションはかなり詳細に検討されています。ですがリプリント版はだいぶ抜けているところがあるのではないでしょうか。ややこしいのは今回のB-Durのようにリプリント&リプリント改訂版(これ自体もミスがある)やリプリント&クリティカルエディションの平行発行をしているものがあります(ex. op.159やop.194。国立音大の演奏会では後者で混乱していたため解説がめちゃくちゃでした)。改めてどこかできちんとした「原典版」を作る必要があると思います。
2018/May/18
ここからオルガン部分のミスプリント判明分です。
面倒くさかったので基本的に強弱記号のみ検討してます。
Gloria
- 39小節目 ペダル4拍目にmf
- 54小節目 左手手 1拍目Cの上にFを重ねる
Credo
- 41小節目 2拍目からmf
- 105小節目 dim.は取る
- 130小節目 右手 4拍目 Eは取る
(これはBKではホルンの音だが、orとBMのオルガンおよびBMにもホルンの音もない)
Sanctus
- 17小節目 ペダル 1拍目pp
Benedictus
- 9小節目 右手 (8部音符)3拍目Fと次の4部音符Fはタイで結ぶ
Agnus Dei
- 40-41小節目 左手 スラー取る
- 81小節目 ペダル4拍目 fは取る
比較検討した資料
○オルガン版マニュスクリプト 以下 or
BSB Mus. ms. 4642-1(バイエルン州立図書館所蔵)
○ブラス版マニュスクリプト 以下 BM
BSB Mus. ms. 4642-2(バイエルン州立図書館所蔵)
○Ave Maria
BSB Mus. ms. Mk 724-1(バイエルン州立図書館所蔵)
ブラス版 全集第6巻 (CV50.201) 以下 BK
Carus CV50.172/3 1987年エディション
Carus CV50.172/3 2010年エディション
Kyrie
- 88小節目 T1 1拍目に p
- 88小節目 T1 ヘアピンは1拍目から
- 91小節目 T2 1拍目 テキス - le - → - lei -
Gloria
- 68小節目 T2 1拍目に f
Ave Maria
- 008小節目 T1 1拍目2拍目 テヌート
- 009小節目 B be - ne - di- cta 歌詞抜け
- 027小節目 B 3拍目 Fは8分音符
- 027小節目 Br 4拍目 fpではなくアクセント
- 029小節目 B fpは2拍目ではなく1拍目
- 037小節目 B 2拍目に f
- 038小節目 T2 3拍目 38小節目 T2 4拍目 A(四分音符)は8分音符でAG (わかりづらいので下の画像参照)
- 039-040小節目 T2 テキストに関しては下記画像を参照
Credo
- 009小節目 右手 (8部音符)3拍目Fと次の4部音符Fはタイで結ぶ
- 028小節目 T1T2 4拍目からの右開き松葉はは29小節目の3拍目まで
- 045小節目 T2 1拍目と2拍目裏 am - pro
誤)付点四分音符と8分音符
正)複付点四分音符と16分音符 - 081小節目 全パート 左開き松葉は取る
- 088小節目 T2 2拍目に f
- 089小節目 T1 2拍目に f
- 108小節目 T2 3拍目からのスラーは111小節目3拍目まで
- 118小節目 T1 4拍目に アクセント
Benedictus
- 8小節目 T solo f
- 11小節目 T2BrB 1拍目に mf
- 11小節目 Br 後半(8分数えると4つ目)付点4分音符でdのみ(6つ目の8分音符のbへの跳躍はなし。ただしD-bと跳躍して歌うほうがかっこいいのでこのままでもいいのかも)
- 16小節目 T2 quiに f(バスは2小節後にfがあるので、同じ箇所のバスにはつけない)
- 41小節目 B 松葉は1拍目から開始(3拍目からでは短い)
Agnus Dei
- 036小節目 rit. 取る
- 037小節目 rit.
- 081小節目 T2 3拍目に sf
- 51小節目 Br 松葉は1拍目から
- 52小節目 Br 松葉は1拍目から (orとBMで判断が分かれますが、4拍目のみでは短すぎる)